ピアノのコンクール挑戦~失敗から学ぶこと~
遠かった表彰式
週末に娘が挑戦したピアノのコンクール。結果は初めての惨敗でした。
今までは最優秀ではないにしろ、何かしら賞はもらえていたのに今回は何ももらえないという結果。
今までよりも自信があっただけに、母も娘もショックで思考停止状態でした。
朝から、娘の様子がいつもと違うのは気づいていました。
いつも、機嫌よくひとりでベラベラとしゃべり倒しているタイプなのに、妙に静か。。。
疲れているのか緊張しているのか、体調が悪いのか。
予定通りの時間に会場に着き、今までよりも準備も練習も万端。
なのに、演奏は冴えませんでした。
と、いうより母親はわが子の演奏をいつも平常心で聴けないのでそこまで気づけませんでしたが、
となりで聴いていた父親は
「あんな弾き方したの始めてじゃない?大丈夫かなぁ」とポツリ。
冷静になって思えば私も最初の入りからテンポの違い、
先生にさんざん言われて直してきた和音の響かせ方の違いに気づいていました。
なのに、それでも我が子かわいさのあまり「大丈夫、上手にできてた。」と思いこんでしまう親バカぶり。
今回も何かしら賞がもらえるかもしれないと期待していました。
二時間後、結果がでます。
非情にも娘が楽しみにしていた表彰式に呼ばれることなく、終わってしまいました。
その後、「次のコンクールがあるから、そっちを頑張るわ」と気丈にふるまっていた娘でしたが、
ショックを受けていたのは明らか。
私に関しては何が起こったか受け入れられず、親バカぶりを暴走させるだけ。
冷静に敗因を考えることも、今後どうすればいいのかを考えることさえできずにいました。
冷静に現在の状況を受け入れることの大切さ
夜、ピアノの先生が心配して電話をかけてきてくれました。
先生はコンクールの運営のお仕事をしながら舞台脇で娘の演奏を聴いておられました。
先生がおっしゃるには、いつもの演奏ができていなかった。
どこか他人事のような演奏をしていたのが気になったのだけど、カピちゃん(=娘)の様子はどうですか?と。
先生の一言でハッとしました。
親バカ思考からやっと冷静に状況を判断できるようになったのです。
そういえば、いつもの娘の演奏じゃなかった。
表彰された子の演奏には、すごい個性があって印象に残る演奏だったな。
3,4年生のカテゴリーなので、一見4年生の方が有利かなと思いきや、3年生かな?
と思うような小さい子の方が表彰されてたような気がする。。。
そうか、あの子は緊張して萎縮したんだ!こんな事は初めてでした。
そうか、ついに「10才の壁」を超えたんだ!ということに気づいたのです。
「10才の壁」、「小4の壁」といわれるこどもの成長の時期の通称です。
子どもの思考は9~10才の時期に大きく転換します。
この壁を超えることで、抽象的な概念まで理解できるようになり、より高度な学習ができるようになっていく。
心理的にも、「他者意識」が発達し、他人との比較を通じて自分を認識するようになるため、
嫉妬などネガティブな感情が生まれたりするようになるそうです。
つまり、今まで我が子は幼いが故に自分のいいところを天真爛漫に表現できていた。
今まではそこが運良く評価を得られただけで、
成長してしまったこれからは本当の実力や表現力、
それを本番に生かせる精神力が必要になるという事なのです。
今回は彼女の良いところ、どこか人と違う輝きを表現することができず、悔しい思いをしました。
評価されるかどうかは別として、彼女のベストの演奏をさせてあげたかった。
今まで、我が子ながら彼女の天真爛漫さ、無敵感はスゴイなと思っていましたが、
緊張で我を失ってしまう、娘もやはり普通の人間でした(笑)
子どもとはいえ、音楽、芸術のコンクール。奥が深いです。。。
だからこそ、挑みがいがあるというもの!
今回のような経験を次に生かしてほしい。
他者に思いやりを持ちつつも、自分の個性を生かすことができる子になっていってほしい。
そのためには母親もまだまだ修行が必要。。。
親バカで我を失ってしまうのもほどほどにします(笑)