子どものEQを育てる習い事〜ピアノ教室で学んだ想像力とコミュニケーション能力の高め方〜
新しい時代に通用する人材に必要とされるのは、IQよりEQ?
ほぼ遺伝で決まるらしいIQはそれほど期待できないので、
開発能力の余地があるEQに注目してみました。
実はうちの子がピアノを習う際、
先生にこう言われたんです。
「私はピアノが弾けるという体験を通して、
子どもたちの生きる力、EQを育てて行きたいんです。」
ぼんやりとピアノが弾けるようになったらいいな、
と思っていた私は先生のこの言葉で、変なスイッチが起動。
ピアノでEQが育つ?!
(そもそもEQってなんだっけ?はおいといて)
本当にそんなことが!
ならばこの先生にお願いしてみよう!
と、能力開発好きな母親にスイッチが入った瞬間でした。
もくじ
EQは心の知能指数?
そもそも、EQって何?
と、ググるところから始めた母親です。
E Qは心の知能指数とも言われ、他人の感情を感じ取る力と、
自分の感情をコントロールして利用する能力だと言われています。
頭の良さを数値化して測ることのできるIQとは違い、
EQは数値化できない能力、日本では人と上手く付き合っていける能力や、
みんなの気持ちをまとめ上げ、引っ張っていくリーダー的な能力、
「地頭の良さ」などと表現されてきた能力です。
「IQがいくら高くても、
お友達と上手くやっていけないんじゃ苦労するだろうしな。」
「社会で働くにしても、
結局は周りとのコミュニケーションが大事だしな。」
EQという言葉に馴染みのなかった母も納得。
そうか!
「音楽や芸術で感性を豊かに育てるといい」
と聞いていたけど、このことだったんだな!
感性でEQ=心の知能指数が上がるんだ!!
すっかり先生の言葉に感化された母は
このピアノの先生についていくことに決めたのでした。
想像力が豊かになるピアノレッスン
ピアノの上達と、EQはどうやって結びつくのか。
子どもが小さいうちは、あまり実感できませんでした。
先生のおっしゃる通りに課題をこなし、
ピアノの演奏を楽しみながら上達を感じる毎日。
それでも、EQが高くなったと実感できるまでには、
随分と時間がかかりました。
「明らかに他の子と違う!」
と思い始めたのが小学校の高学年に差し掛かった時。
娘が何気なく言い出したのです。
「ピアノの音が人の声にしか聞こえない。
調子がいいと、すごいしゃべってくる」
なんですと?ピアノがしゃべる?
面白がって色々聞いてみました。
娘が言うには、ピアノそれぞれに性格があるそうで、
喋り方や内容もピアノそれぞれ違うのだそうです。
うちのピアノはいちばんの仲良し。
親友のようなしゃべり方で、気心が知れた仲。
教室にあるオルガンは、
ガヤガヤとしたしゃべり方で、ちょっと苦手。
学校の体育館にあるグランドピアノは、
お兄さん的な口調で、
「だいじょうぶ?緊張してない?」
「いつも通り弾けばいいからね」
などと、気遣いが細やかで嬉しいのだそう。
ピアノの先生のおうちのピアノは、
上品な口調で、全て正しいことを言ってくれる。
などと、娘には私の見えない世界が広がっていることがわかりました。
なるほど!
これが音楽で想像力が豊かになるということか。
しかし、このままでいいのかな。
ピアノとおしゃべりしてるとか、
現実社会からかなり浮いてるけど、
普通のお友達付き合いとかできてるのかな?
ピアノとだけ付き合うようになったら困る。。。
母が求めていたのは、あくまで現実社会を生き抜く力。
そのためのEQだと思っていたのに、大丈夫かしら?
言語を使わないコミュニケーション能力が高いことが判明
ピアノを頑張っていたら、
ピアノとお友達になれた娘。
「ボールと友達になるんだ!」
子どもの頃に観ていた熱いサッカーアニメを思い出す。
(キャプテン翼だけどみんなわかるのかな。)
そうか!何事も上達するには
道具とお友達になることが大事なんだな!
素直に納得してしまう母。
そしてこの頃、娘の意外な能力が判明。
お友達の言いたいことが、しゃべらなくてもわかる。と。
テレパシー的な何かか?
なんと!素晴らしい!
ついに能力開発っぽくなってきた。
娘の話を聞けば、
お友達で家の外では一切声を出さない子がいるのだけど、
娘はその子の表情や手の動きで言いたいことがわかる、と。
事実、娘はその子のお母さんからも信頼を得ていて、
どうやら押し付けや勘違いでもないらしい。
実際のコミュニケーションは、
言語で伝わっている割合はたった7%で、
あとは非言語だと言うしな。
そうか!
感性を磨けば、言語に頼らなくても表情とかの違いで
コミュニケーションが取れるようになるんだ!
娘を見ていて、やっとピアノとEQが、
現実社会を生きる力に結びついてきた瞬間でした。
さらに娘のコミュ力の高さに感心した話があります。
「〇〇ちゃんのお母さんが言ってることも、すぐわかるよ!」
娘のお友達のお母さんは耳が不自由でおしゃべりができません。
その方とおお話しした時の話です。
感性の鈍っている私では、
声を出せない彼女の言いたいことがなかなか理解できず、
ついついお話するのを面倒に感じてしまっていました。
彼女の方もすぐに感じ取ったようで、
だんだんと疎遠になってしまいます。
そんななか、私を抜きにして、
娘と彼女は普通にコミュニケーションを取っていたようなのです。
もちろん、学校の行事で会うときなどの短い時間ですが、
娘はなんのストレスもなく、スムーズに会話ができるそうです。
言語に頼ったコミュニケーションにしか意識が向かない
自分の思考がいかに狭かったか。
習慣や言語の違う人たちとコミュニケーションを取るのに、
いかに娘のような能力が大切か思い知らされました。
人の気持ちを想像する力が身に付くピアノレッスン
娘が高学年になってくると、
曲を深く理解して言語化するというレッスンが加わってきました。
今まで与えられた課題曲を自分の感覚で
自由に弾くことが楽しかった娘なので、
クラシック音楽を学ぶときの核となる
再現性を学び始めた時、
少し苦手に思ったようです。
「今までのように、自分の感覚で自由に弾きたい」想いと、
「作曲家の気持ちを考えて、楽譜に込められたメッセージを丁寧に表現したい」
と言う想い。
どちらも大切で、どちらも思うようにはいかない。
そんな壁にぶつかってきたのが、
思春期の今の娘の状態だと思います。
ピアノソナタなどの大曲を弾くようになり、
曲を弾く練習の以前に、
作曲家の性格や育ってきた背景、
この曲を作曲したときに置かれていた状況や心情など。
調べられるだけ調べ尽くして、
調べてもわからないところは
想像して補うという作業が必要になりました。
とにかく、会ったこともない人物。
性別も国籍も時代も違う人物の気持ちを想像して、
共感するというトレーニングです。
この情報収集をもとに、
娘なりに創りあげた曲に対するイメージを、
ストーリー仕立てに言語化していきます。
例えば「ショパンの子犬のワルツ」
ショパンが恋人と別荘で幸せに過ごしている足元を、
かわいい子犬がくるくると回っているところ。
この大まかなイメージで、
このフレーズの時はお茶を飲んでいる、
このフレーズではお茶をこぼしそうになっている、
などと脳内で細かくストーリーを組み立てて、
実際に弾く時に表現していくそうです。
わぁ。。。
ここまできて、
やっとピアニストの大変さがわかってきました。
ピアノって、楽譜読んで覚えて弾ければいいってものじゃなかったんです。
鍵盤を押せば誰でも音が出せるピアノ。
それでも、弾く人によって音色が全く違ってくる不思議な楽器です。
その秘密は、ピアニストたちの脳内イメージの違い。
曲をどんなふうに表現したいか、
どんな音色を出したいか、
脳内に流れている音は人それぞれ違うのだと。
人それぞれの脳内に流れている音楽を、
外にいる人も聞こえるようにしてくれるのが楽器。
ピアノが弾けるようになるということは、
これだけ奥が深いんだな、と気づいたわけです。
これをEQ的に言うと、
人の気持ちを理解しようとする作業が自然に行えるようになる
ピアノレッスンでEQが上がらないはずがない!
せっかくのEQを生かすために
ピアノレッスンでEQが上がるかも!と頑張ってきた結果、
娘の成長を見ていると、
どうやら間違っていなかったと思います。
あとは、この先娘が培ったE Qを生かして、
力強く未来を切り拓いていってくれることを願います。
どんな国のどんな環境で育った人とでも、
偏見なくコミュニケーションがとれる能力を生かせば、
きっと明るい未来が待っているはず。
そして、EQが高いことによって幸せを感じられる瞬間が増えれば、
どんな困難にあっても、粘り強く乗り越えて行ってくれるはず。
そんなふうに期待しています。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
もし、この記事を読んで我が子もEQを!
もしくは自分もEQを高めよう!と思っていただけたら嬉しいです。
大人も子供もEQを高めて、思いやり溢れる社会にしていきたいですね。