新しいこと、嫌なことにもチャレンジできる子どもを育てる秘訣
丁寧な子育て
先日、娘の通っているピアノ教室で開かれたセミナーに参加して気づいたことがあります。
セミナーの内容は、ピアノのコンクールで優秀な成績をおさめるために、どのような練習をしてきたか、親がどのようなサポートをすべきかということを教えて下さるもの。
息子さんの練習に熱心に向き合っていらっしゃるお父様のお話でした。
お話を聞いてみると、そのお父様はピアノのコンクールで賞を取ることが目的でされているのではなく、
よりよい子どもへの接し方ためのツールとしてピアノを選んでいるだけだったということ。
ピアノに限らず、子育てやコミュニケーション全般に生かせるとても興味深い内容でした。
子どもには丁寧に対応することが一番大事
まず、お父様がピアノというツールに行きついたきっかけ。
歯科医というお仕事柄「嫌がる子どもにどうやったら治療を受けてもらえるか?」を真剣に取り組まれました。
その結果、丁寧に対応するということが一番大事だということに気づいたそうです。
そんな時にたまたま目に入ったのが、ピアノを通して子どもの未来を輝かせるための指導をしておられる先生の本。
本を読んで感動。ピアノの指導超えて、子どもたちをいい方向へ導く内容で、コレだ!と思ったお父様は我が子をダシに(笑)行動開始。
すぐに先生に電話をし、体験レッスンに申し込みます。
当時住んでいた広島県から先生のおられる千葉県まで子供を連れてレッスンにいく行動力。
そこで習った練習法を実践するための工夫に何時間もかけて楽譜を用意する。
やはり、結果を出す人の行動力はハンパではありません。
椅子に長時間座っているのも苦手だった息子が、どうやったら上手になるか、先生に言われたことをどう伝えたらいいのか。
練習のために用意する楽譜を手作り。
どこに気をつければいいのか子どもが自分でわかるように色をつけたり、イラストをつけて表現したり。
モチベーション維持のために練習時間をポイント化、
子どもがポイントを集めたくなる、欲しくなるようなシールを用意したり。
この子がどんなことをすれば上手になるのか、何をしたら喜んで練習するのか。
丁寧に観察し、丁寧に準備してお子さんに向き合っておられます。
いったいどのくらいの時間を費やしておられるのか。
子どもがピアノを1日4時間練習するのであれば、親はそれ以上の時間を準備に費やしていると仰られていました。
大人が丁寧に対応すれば、子どもも喜んで応えようとしてくれる
親が自分に丁寧に向き合っているということが子どもにも伝わるから、子どもも練習を頑張る気力が湧いてくるのではないか。
歯医者さんとしても、嫌な治療でもこの先生なら受けてもいいかなと子供たちから思われるのではないか。
お父さまのお話を聞いて、そんなふうに思いました。
仕事の効率化、短い時間で早くたくさん対応することがいいという価値観に流され、
いつのまにか、一つのことに丁寧に時間をかけてやることはムダなような気がしていないでしょうか。
でも子育てという大切な仕事に関しては、丁寧さが一番大事なのではないかと思います。
子どもたちが一番欲しているのは、大人が自分に丁寧に向き合ってくれることのような気がするのです。
うちの子にしても、いつも丁寧に向き合ってくれていることがわかるので、
ときに厳しくても嫌がらずにピアノの先生のいう事を聞くのではないか。
改めてそう思いました。
ピアノの練習に取られる時間はどうしても長くなり、遊ぶ時間が制限されるなか、本当のところ子どもがどう思っているのか心配でした。
今回改めて、彼女は自分から先生のレッスンを受けたくて頑張っていることがわかってよかったと思います。
親としても、楽譜の準備だったり練習に付き合う時間は当然とられますが、丁寧に子どもに向き合うことは子育てにとって一番大事なこと。
ピアノだけでなく、すべてに通じて子供のためになるのなら喜んでやります。
ピアノに限らず、勉強、スポーツ、ツールはなんでもアリ、お金もかけなくてもできます。
大事なのは子どもが親の丁寧さを感じられること。
それが感じられれば、子どもは何かに挑戦する勇気が湧いてくるものなのではないでしょうか。