ピアノで母娘育て
ピアノを弾けるようになりたい
私は子供の頃、7年間ピアノを習っていました。でも、一度も人前で披露したことはありません。そして、いまではほとんど弾けません。発表会などというものがない教室だったこともあり、週一のレッスンの前に家で練習をすることはあったものの、先生は優しいし親もノータッチ。ピアノに関してのプレッシャーは全くなしで過ごしてしまいました。
学校の学芸会や合唱などの行事があると必ず活躍できるのが、ピアノを習っている子たち。それなのに、自信のなさから「習っている子、弾きたい子は?」という先生の呼びかけに手をあげることはできませんでした。
今思えば、とりあえず手をあげて挑戦してみてもよかったのです。なにかに挑戦すると人前で宣言することで後には引けなくなる性格の私。選ばれるかどうかは別として、きっと猛特訓をし、それなりに弾けるようになったと思います。
それが「自信」につながっていって、いろんなことにチャレンジできるようになる。
娘のピアノ教室を選ぶ際はこのことにまだ気づいていませんでした。娘は1才からヤマハ音楽教室に通っていました。一人っ子だったので、私も娘もお友達ができたらいいなくらいのノリでしたが、母娘一緒に歌ったり踊ったりエレクトーンを弾いたり本当にいい経験になりました。小学校に上がるタイミングで、このままヤマハにどっぷりつかっていくのか、個人の先生にお任せするのか悩んだ結果、個人教室も探してみることにしました。
本心ではヤマハを続けたかっただろう娘。何軒か回ってみて、どこも首をたてに振りません。その中で一軒だけ「ここならいいよ」との娘のお許しが出たのがいまの教室でした。今振り返って、娘の直観に従っていなければ、私ではここに決められなかったと思います。
近所の他の教室と比べて、月謝は高いし発表会が多い。親からしたらハードルが高い教室でしたが、レッスン室にはキラキラのシャンデリアにグランドピアノ。いつもキレイな巻き髪でばっちり決めておられる美人でおだやかな先生。キラキラな世界好きの娘からしたら、テンションの上がる教室だったのかもしれません。
ピアノで子育て こどものみらいをひろげる
この教室でレッスンを始めて1か月ほど経ったころ、先生から新しく教室に入った方へお話したいことがあるとのことで、私の他にも3人ほどのお母様たちと集まる会がありました。
そこで、先生がお話になられたのがこんな言葉。
「私はピアノが弾けるようになることで、子供達に自信をつけさせたい。なにも、ピアニストになれとか、音大を目指さなくてもいいと思います。ピアノが上手に弾けるという自信があることで、ひとりひとり違った豊かな道を歩むことができるようになれると、私は信じて指導しています。」
発表会が多く、コンクールに挑戦する子達も多いこの教室のレベルについていけるのか?正直、お金も手間もかかる。。。としり込みしていた私ですが、この言葉で吹っ切れました。この先生にお任せしたい。ついていきたい、と。もう、立派な信者の勢いです(笑)
時は流れ、現在。我が娘は毎年学校の学芸会でピアノの伴奏をしてます。さらに、今年は2つのコンクール出場を掛け持ちし、2つとも見事予選を突破。来月の全国大会に向けて練習中です。
娘に才能があったのか?全くそうではないと思います。現に、先生の教室からコンクールに参加した子8人全員が通過率50%の予選を通過しています。
高い目標を持っていて、いい指導ができる先生に出会えたこと。その先生を信じて素直についていったこと。これだけだと思います。この先、娘がピアニストになれるかは本人の努力次第、運次第です。ピアノに限ったことではなく、何にでも興味を持ったことにチャレンジしていけるようになったことがうれしいです。
少なくとも一番私が欲しかったもの、子どもに持って欲しかった「自信」は彼女の中にすでにあるように思います。ピアノで得られた自信をもとに、この先もっと明るい未来を切り開いていってくれるだろうと、親バカ100パーセントで期待していきます。